ある日、営業先の契約が決まりました。\(^O^)/
そして、契約書にサインをいただく為、
お客様を訪問することに。
そこで、こう言ったんです。
「ここにご署名と押印をお願い致します。」
その時、上司にも同行してもらったんですが、
帰りがけに「違うだろ~!」と怒られて
しまいました。^^;
な、なぜ? どうしてなの?
これを見ているフレッシュな営業マンの皆さん
私がまだ若かった頃のお話です。
なぜ怒られたのかわかりますか?
その前に上の意味は、
ここに名前を記入して印鑑を押して下さいと
いうことになるのは、おわかりですよね。
ちょっと厳しい上司かもしれませんが、
その原因を一緒に探っていきましょう!
(・・・というか上司が間違っているかも)
捺印(なついん)と押印(おういん)の意味
よく契約書にハンコをお願いする時、
押印お願いしますとか捺印お願いしますなどの表現を使います。
ここにハンコ押して下さいや
ここに印鑑お願いしますでもいい気もしますが、
空気が張りつめたような重要なビジネスシーンにおいては、
丁寧な言い回しで使うこと多いようです。
それでは、
「ここに署名と押印(おういん)をお願いします。」は
間違いなのかでしょうか?
正しくは
「ここに署名と捺印(なついん)をお願いします。」になります。
まずは、押印と捺印の意味を調べてみましょう。^^
国語辞典の大辞林からの引用です。
押印(おういん):印を押すこと。捺印。
捺印(なついん):印判を押すこと。また、その印判。押印。
あれ、どうみても同じ意味ですよね??^^;
捺印と押印の違いは?署名の場合は・・・
ここで、どちらが最初に使われた言葉なのか見て行きましょう。^^
捺という漢字は、
文字を柔らかく上からじっくり力を加えるという意味で、
捺印として戦前から使われていました。
その後、誰もがわかりやすい法令用語として
押印という言葉が生まれました。
捺という漢字が常用漢字に採用されなかったこともあり
ますます押印が新聞などで定着していったんです。
だから押印も捺印も同じ意味なんですね。
そうすると結局、
怒られた理由がわからないですよね?
ん~ そうなんです。実は・・・
押印と捺印は
記名か署名かによって使い分けているんです。
そうなの~?
なので理屈抜きにして単純に覚えて下さい。
- 署名捺印(しょめいなついん)
署名は、万年筆やボールペンなど自筆でサインをして、
一緒にハンコを押してもらう。 - 記名押印(きめいおういん)
記名は、すでに名前が印字で印刷されていたりゴム印が押されていて
そこにハンコを押してもらう。
ちなみに、それぞれの効力(契約書が正式に結ばれたかどうか)は
以下の順番になります。
1、署名捺印 (自筆でサインして印鑑を押す)
2、署名 (自筆サインのみ)
3、記名押印 (名前の印字またはゴム印とハンコを押す)
4、記名 (名前の印字またはゴム印のみ)
ただ、4番目の記名だけだと誰が書いたのか
証明できないので効力はだいぶ低くなるんですよ。
まとめ
最後に簡単にまとめてみましょう。^^
捺印は、自筆の署名の時に押し、
押印は、名前の印字など自筆以外の時に押す。
ちなみに、指を切って自身の血液で判を押す血判は、
どちらでしょう?
まぁ、捺印の方だと思いますが・・・
坂本龍馬さん 当時は何と言っていたんですか?
教えて下さい~!^^;
・・・ということで
上司に怒られた理由がわかりましたね。
意味が同じなら、
そこまで怒ることないですよね。
でもですね。
そんな常識をきちんと教えてくれたおかげで、
自分で調べて考えるクセが身につきました。
少し理不尽さはあったけれど、
無視されるよりは、怒ってもらえる方が
自分の事を考えてくれる気持がうれしいんです。
そういえば、この上司
今頃どうしているのかな~?
あなたも怒る上司についていて
勉強になるエピソードがありましたら
ぜひ教えて下さいね。